今治タオル 外国人。 今治タオル不買運動を巡る問題とNHK報道による誤解 — 池永 将成

衰退一途の今治タオルが息を吹き返した“大事件” (5/5)

今治タオル 外国人

NHKが今治タオルブランドを告発 今治タオルといえば、有名なタオルブランドであり、愛用している人も多いはずである。 その今治タオルをめぐって、先日が外国人技能実習生の過酷な労働環境を告発した。 NHKによれば「1ヶ月の残業時間は少なくとも180時間と、過労死が認定される基準の倍近く。 さらに、140時間の残業代が未払いになっている可能性があること」などが報道され、その衝撃的な映像の数々から大きな反響を得ている。 日ごろから外国人労働者を含む生活相談や労働相談を受けている立場から、NHKの報道に感謝したい。 ジャーナリズムにはこのような苦しい立場にある人々に光を当てて、問題解決の一助となる役割を引き続き果たしていただきたい。 わたし自身、外国人労働者に蔓延している違法労働や人権侵害の数々に辟易している一方、氷山の一角でも明らかになることは問題解決への一歩となると期待している。 問題の企業は今治タオル工業組合の下請け工場のひとつ ただ、NHKの番組では問題となった企業が明示されなかったため、無用な憶測を呼んだり、全く別の企業が非難にさらされたりした。 風評被害を巻き起こすべきではない、などとNHKへの批判もあった。 しかし、今治タオル工業組合は正式にコメントを発表し、問題となった企業が「当組合員等の縫製の下請企業であること」を明らかにした。 (1)ベトナム人技能実習生の受入企業(当該企業)は、当組合に所属する企業(組合員)ではありません。 本報道で「28人のベトナム人が働く下請工場」「仕事はタオルの縫製」と報道されている当該企業は、当組合の組合員でないことを確認しております。 また、本報道で「明日組合で話し合うと言っている」とある組合は、外国人技能実習生の監理団体(受入を行う協同組合)であるとされ、当組合とは別の組織です。 当該企業と当組合との直接の接点はありません。 (2)当該企業は当組合員等の縫製の下請企業であることから、当組合も社会的責任及び道義的責任を重く受け止めています。 当該企業は当組合に所属する企業(組合員)ではありませんが、組合員等の縫製の下請企業であることから、今治タオルの振興を図る取り組みをしています当組合としましても、社会的責任及び道義的責任があると考えており、この問題を非常に重く受け止めております。 (3)今後の対応は、技能実習生の労働環境の改善を最優先に考えて支援などに取組みます。 現在のところ、当組合でも情報収集に努めるとともに、本報道にもありましたように同機構が「労働基準法や技能実習法などに反した疑いで会社の調査は続いている」とのことであり、同機構の調査結果となんらかの措置を参考にして、実習生の身分や地位等の利益を最優先して労働環境の改善などの対応を真摯に検討してまいります。 (4)法令遵守等の周知徹底の強化のための全員協議会およびコンプライアンス研修会を開催いたします。 当組合では、経済産業省等から指導を受けています「繊維産業における外国人技能実習の適正な実施等のための取組」と「繊維産業の適正取引の推進と生産性・付加価値向上に向けた自主行動計画」を基に、これまで以上に組合員はもとより下請企業の法令及びコンプライアンス遵守について周知徹底を強化します。 そのため、7月8日(月)午後1時30分から組合員104社を招集して、全員協議とコンプライアンス研修「組織で考える不祥事防止策」を開催いたします。 また、一過性のことと捉えず、今後より一層業界として是正のための取組みを継続してまいります。 また、調査と並行し、組合員104社に対し、各社内のみならず、各社の業務委託先に関しても、労働者の健全な待遇や環境形成のサポートを行なえる制度構築、内規設計等を検討してまいります。 出典: 要するに、 今治タオル、今治タオルブランドが製作される過程の一部を人権侵害ともいえる外国人技能実習生が担っていたのは事実である。 外国人技能実習生に対する差別や人権侵害の事例は後を絶たない。 なかにはあまりの過酷な労働環境のため、職場から失踪してしまう事例や過労死の事例、自殺まで追い込まれた事例まである。 そもそも「外国人技能実習制度」とは、人材育成を通じて国際貢献を果たす目的でつくられていると政府は説明している。 技能実習生は働きながら、技術や知識を身につけることができる制度である。 もちろん、実習生には 労働基準法や各種法令が適用され、最低賃金の保障なども受けられる。 しかし、実習生という地位の低さは明らかであり、労働法制が守られないことが現場では常態化し、企業も問題化したら強制帰国させるなど、違法運用が蔓延している。 日本の労働市場は日本人にすら、ブラック企業という名の通り、労働法令を適切に守らない環境にある。 外国人労働者、それも地位の低い労働者にそれが守られることがないことは容易に想像がつくはずである。 法律など絵に描いた餅と化している。 だからこそ、現代の 「蟹工船」「女工哀史」とも表現されるほど、劣悪な環境下にある外国人が大勢いる。 外国人労働者への人権侵害が横行する日本の労働市場 そして、問題は 外国人技能実習生だけではない。 今野晴貴はと留学生も違法労働をさせられ、抗議したら強制帰国させられそうになった事例を紹介している。 この場合には、介護施設と提携している日本語学校が人材派遣会社のような役割を果たし、使えなくなった労働者を強制帰国させる役割まで担っていた。 この様子はで放送されている。 ご確認いただきたい。 前述の今野らNPO法人POSSEでは問題を重く捉え、ついに外国人労働サポートセンターを開設して相談支援活動をはじめた。 フィリピン人留学生への支援や訴訟費用をで集めているのでご支援いただきたい。 前述の訴訟代理人を務め、長年にわたり、外国人労働者の支援をしてきた指宿昭一弁護士も活動を評価し、このような相談窓口が増えることを歓迎している。 いまも劣悪な労働環境にある外国人労働者には、信頼できる窓口があることを知ってほしいし、守秘義務もあるので、気軽に相談することをお願いしたい。 泣き寝入りでは 次の犠牲者が生まれるだけである。 日本の呆れ果てる現状を少しずつでも問題解決への一歩として共に歩みたいものである。 消費者として商品を購入する際には注意を 企業や資本は常に安い労働力を求めて、海外に工場を作ったり、国内の労働者の賃金を抑え込んできた。 国内の労働者だけでは飽き足らず、最近は外国人労働者に矛先が向いている。 資本主義が成立した時期から、資本が安い労働者に依存することは何ら変わらない光景である。 そのため、私たちが外国人労働者に出会う機会も増えている。 日本社会を支えてくれている彼らがどのような生活をしているのか、についても関心を引き続き寄せていただきたい。 彼らがいなければ稼働しない産業も出てきているにもかかわらず、相変わらず大事にされている様子は見られない。 香港、韓国、台湾など東アジアでも労働力を集めようと努力が続けられているなか、日本がこのような惨状を繰り返せば、優秀な労働者は日本を見捨てていくだろう。 まさに 国益を損なう事態ともいえるのではないか。 また、私たち消費者は商品がどのような過程で製造されているのか、改めて確認したい。 どんなに商品やサービスの質が良かったとしても、外国人労働者への差別や人権侵害、違法労働によってつくられた 血塗られた商品に手を出さないでいただきたい。 血塗られた商品に手を出し続けている限り、犠牲は止まることがない。 企業や商品の動向を少しでも把握いただき、賢明な行動をとり続けていただくだけで、かなり是正効果を発揮するだろう。 消費者の皆さんの行動にも希望を見出したい。

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1人で数百人担当することも。今治・ベトナム人労働者問題で表面化した監理団体の無責任

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NHK「ノーナレ」(6月24日放送より) 今回の件ですが、産地として大変重い課題だと受け止めています。 希望をもって来日した実習生が、あのような法令を無視した過酷な条件下で労働している実状があることに胸が痛みます。 その啓発として、この度の放送は大変意義のあるものだったと個人的に思います。 同時に、企業人・業界人としては頭を悩ませています。 ツイッター等で起こっている今治タオルの不買運動についてです。 業界として真摯に受け止めるべき点もあると感じつつ、誤解も生じていると思います。 今治のタオル産業は、タオルの完成品を造り上げるまでのプロセスを様々な加工業者が担うことで、成り立っています。 今回問題となった企業は、中間の一部工程の加工業者であり今治タオルのブランドライセンスそのものの権利をもつメーカーではないと聞いています。 懸案の業者が産地の中で操業をしていたことは紛れもない事実であり、重く受け止めるべき問題です。 一方で、実習生の労働環境含め法令を遵守し誠実な経営を志している企業もあるなかで、「今治タオル」という統一化された消費者意識の元、真っ当な企業まで不買運動による不利益を被る状況となってきています。 弊社は、労働環境はもちろん実習生と日本人従業員で懇親会を行うなど、企業として当たり前のことを当たり前にやっています。 実習生参加の懇親会の様子(池永氏提供) また、弊社だけでなく公正な経営を志している企業は産地に多数あります。 放送翌日の6月25日には取引先や消費者の方から多数の電話のお問い合わせがありました。 他社も同様だと思います。 テレビ・メディアとSNSの負の相乗効果というものは計り知れず、このままでは「今治タオル」のブランドそのものの価値が不当に毀損され続ける致命的な状況に陥りかねない、実際に陥っていると危惧しています。 なぜこのような現象が起こるかということですが、製造メーカーが無数にあることや、タオル組合が保持する今治タオルのライセンスを許諾された複数のメーカーのみが使用していることをご存知ない消費者の方が多いことが理由として挙げられると思います。 それらの方は「今治タオル」を全て同一のものと認識されています。 また、今治のメーカーのほとんどが放送のような劣悪な環境で実習生を労働させているような誤解も生じているものと思います。 放送を直接確認したのでなく、2次情報、3次情報を元に「不買運動」を発信されているネットユーザーの方も少なくないと推察しています。 今治タオル(国土交通省今治港案内HPより:編集部) とにかく、私が声を大にして言いたいのは、 正しいことを正しくやっている会社もある、ということです。 そして、産業構造的に連鎖的な倒産や操業停止が今治産地で発生します。 そうなると、大量の日本人の雇用が失われますし、報道とは異なり働きがいをもって日々従事している実習生の仕事も消滅してしまいます。 産業としても立ち直るのに膨大な時間を要するでしょう。 そのような事態は何としても避けたいと考えています。 では、どうするべきか。 こういったSNSでの草の根的な活動も重要だと考えていますが、ブランドが失地を取り戻すためには、再度メディアの力を持って別の切り口から両面的な報道・放送がなされるべきだと考えています。 それしかないです。 昨日から番組制作者の方に連絡を取らせていただいたり、NHKの問い合わせ窓口に連絡させていただいている状況ですが、あらゆるメディアのお力をお借りしたいと考えています。 弊社の技能実習生の状況を取材いただくでも、別の形でご相談させていただくことも可能です。 正しい情報が再度テレビ・新聞・ネットを通して流通することが必要です。 技能実習生がブレストで会社の課題を考える(池永氏提供) どうかご協力いただきたいのですが、本記事を読んでいただいた方は是非シェア・拡散いただけると嬉しいです。 メディアの方につきましては、昼夜かかわらず連絡をお待ちしておりますので、下記まで連絡いただけますと幸いです。 どうぞ、よろしくお願い致します。 (編集部より追記:26日午前)本記事の反響を受けて池永氏の続報コラムです。 未読の方は合わせてお読みください。 池永 将成 株式会社ハートウエル代表取締役 大学で卒業後、シンガポールに渡り、現地企業でWEBコンサルティングに携わる。 アクセンチュア株式会社を経て、独立し、株式会社MIDIOを創業し、新規事業開発などを支援。 2018年9月より業務委託としてハートウエルの経営支援を開始。 19年4月からハートウエルの代表取締役。。 池永氏連絡先:.

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NHK「ブラック工場」放送で大揺れ 今度は「今治タオル工業組合」が声明: J

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出典:NHK 愛媛県のタオル縫製工場で働く、ベトナム人技能実習生たちの劣悪な労働環境を訴える様子を取り上げた、NHKのドキュメンタリー番組(6月24日放送)をきっかけに、インターネット上では企業を特定しようとする動きや、Twitter上で「 今治タオル不買」を呼びかける声が上がるなど、今治タオルブランドをめぐる炎上騒ぎに発展している。 報道では、問題企業の社名は出ていないため、憶測から特定された別の業者が否定コメントもだした。 6月26日、今治タオルブランドの認定や商標などを管理する、今治タオル工業組合は「」との公式見解を発表。 番組で報道された企業は「組合員ではない」としながらも、「 当組合の社会的責任及び道義的責任があると考えており、この問題を非常に重く受け止めております」と、組合としての責任があると、明確に認めた。 ノーナレ公式サイト。 出典:NHK 発端となった、NHKのドキュメンタリー番組「ノーナレ」では、愛媛県の縫製工場でタオルを製造する、ベトナム人女性たちが、NHK記者に連絡をとり、自分たちの置かれた悲惨な状況を訴えている。 カメラは実際に、工場や寮に入り込み、以下のような状況を伝えている。 早朝から午後10時過ぎまで働かされている。 「仕事が忙し過ぎて、太陽や月を見られなかった」(証言)。 何かあれば「ベトナムに強制帰国」と脅される。 過労死ライン以上に働かされても、残業代は一律。 窓のない寮に28人が押し込められて共同生活を強いられている。 ネット上で 今治タオル不買を表明する声が…… 番組は、希望を持って来日した外国人技能実習生たちの悲惨な事例を描き、見た人に強いインパクトを残す。 番組内でこの工場を経営する企業名は明らかにされなかったものの、触れられる地名や業種から、問題企業が今治タオルの関係者だとは分かるようになっていた。 Twitter上では、「今治タオル」をめぐる反発と擁護が飛び交った。 「今治タオルの業界組合って無いの? この番組の内容が本当なら、ブランド価値が地に落ちますよ。 いくらクオリティーが高いタオルだとしても、技能実習生から搾取して作られたものなら、絶対に使いたくありません。 組合の自浄作用に期待したいです」 NHKはきちんと今治タオルのことについて全国に説明して欲しい 地方産業潰されてしまうよ 「今治タオル」のブランドを名乗れる企業には厳しい基準があります 「今治で作ったタオル」とは違います— さとちゃん𓅪 1Eb2fGdO8TWMghA 「放っておくと大変なことになる」 今治タオルの地元の関係者によると、NHKの番組放送以降、取引先などから「大丈夫でしょうか」といった連絡が相次ぎ、 「苦情が殺到というほどではないが、SNSの動きなどを見るうちに、放っておくと大変なことになる」と感じたという。 実際、今治市内でタオル製造販売を行うは、憶測から「番組に出てくるのはこの会社ではないか」との問い合わせが相次ぎ、否定コメントを出すことになった。 昨夜の「ノーナレ」でバリバラに出演してくれた技能実習生たちをあらためて取材しました。 ただ、取り上げた会社とは無関係な会社がネットに出ています。 問い合わせや苦情が殺到し、困っておられます。 控えて下さいますようお願いします。 技能実習生たちが、過去の同番組に出演したものと思われる。 今治タオルといえば、愛媛県北部を生産地に120年以上の歴史を持つ地元の伝統産業。 2000年代になって、クリエイティブディレクターの佐藤可士和さんとコラボし、高品質タオルとしてのブランドを確立した。 国内外で認知を広め、地域ブランドの成功事例として知られている。 ただし、製造プロセスも含めて、消費者はエシカル(倫理的)なものを求めており、それこそがブランドの真髄とも言える現代。 倫理に敏感な消費者が増える時代に、下請け企業や業界の問題について「自社のことではない」という言い分は命取りになりかねない。 ネット上の著名な論者であるちきりんさんはこうTweetしている。 「さっきの話も同じなんだけど、『過去には許されていたこと』『過去には問題にさえならなかったこと』でも、無思考に続けてたら会社の存続を危うくする時代になってるってことを、みんな理解すべき。 」 さっきの話も同じなんだけど、「過去には許されていたこと」「過去には問題にさえならなかったこと」でも、無思考に続けてたら会社の存続を危うくする時代になってるってことを、みんな理解すべき。 — ちきりん InsideCHIKIRIN 地元の今治タオルの基準をクリアしているタオルメーカーの経営者は、「今治ブランドは厳しい基準を設けてブランドを保持してきた。 決して報道のような企業ばかりではないと知ってもらいたいが……」と、複雑な胸のうちを明かす。 今治タオル組合には、年商数十億のような企業もある一方で、年商数千万円の家族経営の中小企業もあるという。 「会社によってガバナンスやコンプライアンスの意識も異なるが、考え方や責任の取り方など、ブランドを守るためにも研修の機会などを設けて、正しい情報を互いにシェアしていくことも必要になっていくだろう」 この経営者は、時代の潮目を感じているという。

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